10月30日(日)穴切体育館において甲府中央ライオンズクラブ杯争奪第58回山梨県スポーツ少年団甲府地区剣道大会が開催されました。
当剣友会からは小学生低学年の部に2チーム、高学年の部に1チーム、中学生の部に2チームが出場しました。
この日は団体戦。低学年が3人制、高学年以上は5人制です。
団体戦は個人戦と違って、当然ながらポジションがあります。
5人制なら先鋒、次鋒、中堅、副将、大将の順です。そしてそのポジションにはそれぞれ役割があります。
一般的に「先鋒」は元気で勢いとスピードのある子で、一番最初に勝って勝負の流れをいい方に引っ張るような選手。「次鋒」は先鋒が作ったいい流れを受け継いだり、逆に先方が負けた場合は流れを変えられるような選手。「中堅」は5人制の場合、前が勝っていれば勝利を確定させる展開に持っていき、負けている場合は何としてでも一本を取るか引き分けるかして、後ろに繋ぐことができるような選手。「副将」は前の流れを引き継いで、有利な場合でも不利な場合でも大将に繋ぐために冷静に試合ができる選手。「大将」はリーダーですからチームで一番の実力があり、確実に勝てるとメンバーからの信頼がある選手、と概ねこのように考えられています。
ポジションはその子の性格や剣道のスタイル、実力などを考慮して決められます。もちろん勝負なので、適したポジションでチーム編成しても負けることはあるのですが、大切なのは選手自身がそのポジションの役割を正しく理解し、意識してそれを果たしたかどうかです。
団体戦は自分だけが勝てばいいわけではありませんし、負けても他の選手が勝ってくれることでチームが勝利することもあります。ですから「本当はもう一本取りに行きたいけどこの一本を大事にしよう」とか「何が何でも引き分けよう」とか「絶対に一本は取るぞ」など、試合の流れに応じた駆け引きが生じます。つまりここぞという時に自分のポジションに合った試合展開ができるかどうかが勝負の鍵になるのです。
そういうところに団体戦の面白さがあるのかなと思います。
実は今回、中学の部の決勝は山城AチームとBチームの戦いになりました。
その結果、Aチームが意地を見せ納得の優勝。さすがです。
Bチームは敗れはしましたが、優秀選手賞を受賞した中学3年の大将の活躍が実に素晴らしかった。彼は決して派手な剣風ではありませんが、真面目に稽古に励み、静かに努力を重ねてきました。この日は決勝にたどり着くまでに大将に勝負がかかる一戦がありましたが、彼はその時もきっちり役割を果たしてくれました。その勇姿が実に頼もしく、今までの努力が実ったような気持ちになって私も嬉しくなりました。
賞状をもらって照れ臭そうに笑った顔がとても清々しく輝いていました。よく頑張ったね。
低学年の部では優勝は逃したものの準優勝となり、優秀選手賞をもらった3年生は何度も「やった!やった!」と嬉しそうにぴょんぴょん跳ねていたし、それを見ていた別の子は「いいなぁ」と心から羨ましがっていました。
低学年の子供達にはポジションの役割を理解するのは難しかったかもしれないけど、表彰されて嬉しかった気持ちも、負けて悔しかった気持ちも必ず力になるからね。
君たちはまだまだこれから!
是非次の大会もワクワクするような試合を見せてください。